2022/06/23 23:17

便利で効率的な時代だからこそ大切にしたいこと


石巻市に位置する雄勝町(おがつちょう)は、東日本大震災の巨大津波で壊滅した、人工減少が著しい地区です。

「雄勝ローズファクトリーガーデン」は、代表の徳水利枝さんが生まれ育った家とお母様を亡くされた場所でもあります。

津波で全部流されて茶色くなってしまった世界に、色を添えたいと花を植えたが始まりだそうです。

「私がしたのは、本当にそれだけなんです」と徳水さんは言います。

若い人が圧倒的に少ないこの地域に、なぜこんな素敵なガーデンができたのか。

震災後多くの外からの支援、ボランティアの方々の力で、一緒に創り上げていったそうです。




「この場所は善意でできている。だから善意で返したい」


この言葉通り、四季折々の美しい花々やハーブが咲き誇るガーデンは誰もが無料で訪れることができます。

ボランティアとして関わり、一緒にガーデンを創るプロセスを感じることで、またこのガーデンを外から応援したり、訪れたりという優しい循環がおこっているのだと思います。

効率が重視される今の時代だからこそ、不便なこの場所で生まれる自然の美しさ、たくましさに、私たちは癒されるのだと思います。




想いの循環こそがサステナブルの根幹


私達はそんなガーデンの想いに共感して、一緒に活動しています。

徳水さんと代表浜出が出会ったのは、2018年。

私達の工房があるNPO法人やっぺすさんのご縁から、復興支援活動のサポーターとして雄勝ローズファクトリーガーデンに出会ったと言います。




育てた植物を何かの形で生かせないかという相談を受けたそうです。

徳水さんはじめ、多くの方の想いの結晶ともいえるバラを1袋預かり、何とか商品化できないかと模索した結果、今のaromajourneyの前身である「雄勝花物語」のアロマミストが誕生しました。




「妖精さん」と呼ばれるおばあちゃまたちが11枚手摘みし、丁寧に乾燥させたドライローズをアルコールに漬け込み、エキスとしてスプレーに閉じ込めました。

その翌年、他のハーブも活用し、多くの方にこのガーデンの想いを知ってほしいという想いから、aromajourney(アロマジャーニー)が生まれました。

 この商品は、のちに「新東北みやげコンテスト」で入賞し、以来多くの皆さんに愛されています。




「妖精」が教えてくれる、ウェルビーイングなハーブの力


「ハーブ自体は日本中いろんなところで取れるのですが、どうして雄勝町のハーブを扱っているかと言うと、雄勝に生きる人たちの姿に心打たれたからなんですよね。発する言葉、生きる姿が美しいんですよ。美しすぎて泣けるほどです。

代表浜出がある取材で語った言葉です。




そこには、80歳を過ぎてもなお逞しくしなやかに生きる女性たちの姿があります。

80歳を過ぎると「妖精」という認定がされます。

それまでは「妖精見習い」なんですよ、と徳水さんは笑います。

人生を逞しく生き抜いている「妖精」さんは、私たちが目指したい、ウェルビーイングな生き様を見せてくれています。

私達は「妖精見習い」として、石巻の小さな工房で、一つひとつの商品にその想いを閉じ込め、世の中をハッピーにしていきたいと思います。

 


aromajourneyの売上の一部は、雄勝ローズファクトリーガーデンの運営費として寄付させていただきます。

私たちができることは、ほんのわずかなことです。

誰もができることで少しずつシェアしていける社会、それが私達の目指したい世界です。



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